Archives: 2022年4月24日

基礎と易しいの違いって?ー基礎を大切にするために

こんにちは、羽衣・浜寺・高石・泉大津・和泉をカバーして大学受験をやっています大学受験kawaiラボの河井です。今年の5月の平均気温は高いのに!雨が多い!ですと…。気圧の変動で機能停止してしまいがちな僕としては、厳しい季節になってしまいそうです…。

今日は基礎と易しいの話をしようと思います。多くの人が基礎=易しい、応用=難しい、という認識をしていますが、本当にその認識でいいのか?その辺りを自分が専門としている化学の立場からお話ししていければと思います。

基礎の位置づけとは

基礎とは科目の土台になるものです。あっ!終わってしまう…。ただ一言で言うならこれだけなんですね。難しいも簡単もないのです。ただただ土台である、というだけなのです。話として持ち出すのが適切かどうかというのがありますが、数学の基礎は小学校の算数の四則計算にあるのは誰にでも通じて、そして少なくとも大人からすると簡単なことと思われるあたりから、基礎=易しいというイメージを持たれているのかと思っております。

話を高校化学ですると、結合に関する話題と物質量(mol)の話、つまり化学基礎の教科書の3分の2ぐらいのところが全体の基礎と言えるでしょう。その上に各単元ごとの基礎が並んでいる、アバウトではありますがおおよそそういうイメージをもって化学という科目の指導をしています。例えば化学平衡を扱うためにはmolはないとどうしようもないですし、濃度についての理解も必要でしょう。そこまであれば言いたいことはもっとあれども、平衡のベースとなるお話はできなくはないわけです(もちろん、もうちょっと段取りは踏みたいわけですが)。

簡単な問題とは?

では簡単な問題とはなんでしょうか?僕なりの解答としては「答えまでの作業工程がはっきりしていて、その通りにやれば済む問題」と考えています。そういう意味では割とmolや濃度は割合/比の概念からきっちりやらないとできないあたり、難しい問題だと思っています。(だから化学基礎が2学期になるころには多くの人が嫌いになってるわけで…泣)化学基礎だから、基礎だから、基本だから簡単というわけではないのです。

その一方で化学平衡は理論的にはかなり難しい部類に属します。ところが、その理論に従った結果、(濃度限界はあるのですが)[H+]=$\sqrt{cK_a}$ (cは酢酸の濃度(mol/L), Kaは酢酸の電離定数)で求まってしまうので、値を代入してしまえば水素イオン濃度は出てしまうわけです。僕はよくこういうことを「理論が難しいだけにやることが固定化される」みたいにお伝えすることがあるのですが、まさにそういうケースを指すのだと思います。こういった問題は(少なくともテスト対策の一環としては)簡単に処置できる問題になるわけです。

基礎・基本を大切にーそれが理論面を支えます

大学受験kawaiラボでは、特に理系の皆さんにはこの基礎・基本を大切にしてもらえるようにお話をすることにしています。もちろん、入試という期限があるので、時期によってはテクニカルに進めている局面もないわけではないですが、日数が限られているからこそこの基礎を大事にしてもらいます。それが理論的な話の通り方をスムーズにすることに繋がり、結果として早期の入試対策の仕上がりに繋がっていると考えています。

あと、これは極めて個人的な思いであるのですが、大学受験/学校の勉強を通じてサイエンス全体の裾野が広がってほしいと思います。とりあえず覚えとけ、で済まされていることも多い中、ちゃんとした基礎とそれに基づいた理論をなるべく平易に伝えることで、エンジニアやサイエンティストを志し、日本のサイエンスを支える人材が少しでも増えること、それ以上にサイエンスを素敵なものとして関わる人が増えていくこと、それは健康面で研究者としては一線を退いた僕個人としてはどうしても譲ることができない願いであります。その願いを1人でも多くの人に受け取ってもらえればと思っております。

 

おまけ(とは名ばかりの宣伝?)ーYouTuberデビューしちゃいました

そういえば最近YouTubeなるものを始めてみました。だんだん顔出しが激しくなっているのですが…、ちょっと照れくさいですね。少しでも大学受験kawaiラボのことを知ってもらえればと思って、笹野編集長の指令のままに撮影をしております笑(自分の声の録音を聞くのが苦手なので一発録りで編集長に丸投げ…苦笑)
ご笑覧頂ければ幸いです!

こんな日常っぽいのもアップしています。パフェがこんなにウケるとは思わなかった…。ビックリ。

2022年度、春から頑張っていきたい方、塾をお探しの方はこちらから募集要項をご覧頂き、こちらからお問合せくださいませ。


「私立に絞る」で本当に楽になるのか

こんにちは、羽衣・浜寺・高石・泉大津からアクセス良好(チラシより駅近って言われました苦笑)の大学受験kawaiラボの河井です。受験生はもちろん、高2ぐらいでぶつかるこの問題、「私立に絞る方がいいのか」についてお話ししていきたいと思います。

私立に絞る=科目を絞るという話の出どころ

この話には「基本的には」という枕詞をつけておいてもらいたいのですが、基本的には国公立受験であれば5教科(現高1からは6教科)の共通テストと2次試験で1〜4教科が課されるというものです。基本的には、という枕詞をつけておいてもらいたいのは、学校によっては要求科目数が少ないだとか、そういった例外があるのでどうしても「基本的には」というしかありません。

ちょっと基本的には、の話で横道にそれましたが、国公立受験を考えると科目数が多いため負担が大きい、私立だと科目数が少ないので、私立に絞ると負担が下がる、と考えて私立にすれば?という提案や考えが起こるようです。本稿では「私立にすれば負担が下がる」の話について考察していきます。

科目が絞られるとどうなるか

では科目を絞る、とはどうなるか、ですが

文系:英語・国語+社会科(日本史/世界史/政治経済/地理)or数学IAIIB
理系:英語・数学IAIIBIII・理科1科目(化学・物理・生物/一部では理科2科目)

ということになります。先ほどの5教科ベースから見れば明らかに少ない。大学や学科によってはもっと少ない。となると負担が少なく見えるというのは当然のことでしょう。

科目を絞ることで起こること

科目を絞ると受験勉強としては種類が減るわけですから、選択と集中が起こるわけです。選択と集中をすれば当然のことですがその科目のクオリティーは上がるでしょう。従って同じくらいの力量の人が競うと考えると、その勝ち抜くラインは上がっていくわけです。その結果どうなるか?受験科目3科目でひとつでもマイナスができると埋めることが難しくなる、したがって選択と集中の分、数字上は高く出せないといけないということが起こります。したがって、私立の偏差値は思っている以上に高く設定されるわけです。

一方で国公立の共通テストで考えると、合計点が問題となるわけですから、科目数が多い分不得意を得意でカバーする余地が多いわけです。僕はよく「不得意のリスクを分散する」というような言い方をしますが、科目数が多く負担になる分には実はメリットもあるわけです。その上で2次試験に向かうと、配点の妙で比較的得意科目を推すだとか、ウェイトの違いだとか、そういったいろいろな戦術的要素を持ち込むことができます。この辺は大学受験kawaiラボでは私を筆頭とした専任で考えます(あまりにテクニカルなことを考えると、勉強のテンション下がってしまうので)。

科目を絞るメリットのある人

一言で言ってしまえば「苦手科目を切り捨てられることになる人」と「時間とパワーの配分が苦手な人」です。前者は当然と言えば当然かもしれません。圧倒的に数学が苦手で歴史マニア、だとかそういった場合には選択と集中が効果的に効くことが起こります。また、後者は科目数が多いと少なくとも表面的には数多くの科目をやることになるので、時間配分を細かくやるとパンクしてしまうときがあります。1つ1つの濃度を上げるとバランスを欠いてしまう、ということですね。そういう人にも1つ1つの深さを上げることは頑張れるという特性を優先させることができると、うまく受験を運ぶ可能性が上がることが考えられます。

科目を絞るとデメリットになる人

前段の逆と言ってしまえば終わってしまうのですが、「得意科目を外すことになってしまう人」と「得意科目と言えるものがない人」になります。前者は比較的わかりやすい。国語や社会が得意な理系がそれらを失う、数学理科が嫌いじゃない文系が社会に絞る、そういった場合には自分の持ち味を捨てることになってしまうため、思っている以上に受験に苦戦してしまう可能性があがってしまいます。なんせ、不得意科目を入れてなので、人と競うという一面から考えると本人にとっての難易度は上がってしまいます…。

意外に思われるかもしれないのが「得意科目がない人」が科目を絞らない方がいい、ということでしょうか。得意科目を受験科目の中に作れるようにしていきたいものですし、我々もそのように努めているわけですが、得意を後付けするのに絶対とは言いづらいです。ですが、先ほども言ったように科目数を揃えることそのものの負担感からそれが忌避されがちですので、揃えられることそのものが武器になり得るわけです。成績表が均一なタイプの人はむしろ積極的に国公立を考えてみてもいいかと思います。

私立に行きたいのに得意を捨てるしかないのか…となる人に

そういった人は共通テスト利用や併用の道も考えてみましょう。もちろん、自分の希望なので公募推薦や一般で受験することを諦めずに勉強はしてもらいたいのですが、いい方法がある場合もあります(一般で頑張るしかない学校もありますが)。この辺の事情をよく知る人・適切にアドバイスしてくれる人に相談しましょう。

最後に:希望と共に個人の特性を見よう

「こんなことがしたい!」とか「こういう資格が欲しい!」といったひとりひとりが抱く希望は千差万別です。当然、勉強に対する特性的なものも千差万別です。特に「ひとりひとりの記憶のクセ」を最近意識的に考えた対応をしているのですが、科目バイアスなども含めて本当にひとりひとりを見て、考えて、対処を決めていくことが重要かと思います。自分だけで決めていくのはなかなか大変なことです。相談だけでも持ち込んでいただければ幸いです。

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そっとYouTuberデビュー?

こんにちは、大学受験kawaiラボの河井です。今日はオンライン授業に伴う広告です。大学受験kawaiラボでは今年度よりオンライン授業を始めました。通論コースでは1年間で基礎+発展の教科書を講義し、教科書付随のワークなどの質問対応と添削を無制限に受け付ける形で進めていきます。

第1回の化学の講義から編集してもらってYouTubeにしてもらいました。オンライン授業の雰囲気の一端でも感じてもらい、検討材料にしていただければ幸いです。

なお、新年度1回目の授業なので緊張が出ているかもしれませんので、優しい目で見てあげてください(自分の声の録音を自分で聞けない人)。


話題の事例から考える、学習のアドバイスとは何ぞや?

こんにちは、大学受験kawaiラボの河井です。3月には浜寺、羽衣から高石市、泉大津市の北側(清風南海高校・高石高校周辺)の範囲にかけて新聞折込を入れさせてもらいました。高校生は通学途中での通塾も十分考えられます。羽衣駅は南海本線の急行が停車する乗り換え駅でもありますので、帰宅途中での通塾も含めて、皆様のお問合せをお待ちしています。

さて、昨今よく耳にする「参考書ルート」や「○○時間の勉強」の話題、流行りの話に乗っているようで嫌だなぁとも思いつつ、ただ、我々の見解を示すのも1つやっておくべきことだと考えますので、ここでお話しさせてもらいたいと思います。


参考書ルートについて

参考書ルートと言われるのは「どの参考書・問題集をどういった順番で取り組むか」というアドバイスになります。職業柄、こういったことはよく聞かれやすいですが、見てもらうと大体が目新しさもなく、特色も何もないとか、そういったものになります(目標に合わせて過去問中心の手前はある程度の違いがあるのですが)。これは学習状況がはっきりと見えない(目標のみしか知らない/1回の模試結果しか見ていない)段階では、その学校を志望する標準的な受験生を想像して、比較的万人受けする教材、成功率の比較的高い教材をおすすめすることになるからです。従って、一定以上の受験知識を持つ指導者が参考書リストという形でアドバイスを提示すれば、多少の好みの差はあれどおおよそ近しいものが出てくることになるでしょう。


○○時間の学習について

さて、簡潔ながら参考書ルートと言われるものを作ろうとすると、ということをお話しました。その1段落を読んで頂いたところで想像がつくと思います。○○大学には○○時間の勉強(1日○時間の勉強も同じ)というのは一般的なその大学を目指す標準的な受験生を想定して言っていることになります。つまり、各人の特性にあたるところはひとつも見ることなしに述べているわけです。その勉強は学年など時期によって変動しますが、その時期にふさわしい理想的な勉強しかしていない、という前提に立つわけです。教科書に付随するワークでその単元を習得するための学習と同等の学習を高3でも基礎の見直しと称してやっている人がそれなりに出てしまうわけですが、そうした事象は存在しないものとしてカウントされていますし、そういった事象に対し修正を行う機会はなく、あくまでも自己判断という形になってしまいます。

僕は個人的には勉強を時間で測るのをそんなにいいものとは思っていないですし、個人の特質に合わせようという主張の下で運営をしていますから、〇〇時間なら〇〇大学、それよりちょっと少ない△△時間なら△△大学くらいまで、という言い方は好みませんし、集計したこともないです。世間で見聞きする数字より少ないけどいったなぁも多いけどそれでも苦戦した、ということもあります。単純な時間と学校のいわゆる偏差値ランキングみたいなものは正の相関はそれなりにあれど、その数字を絶対視的に見ることは大切なものを見誤ると僕は考えています。


真に意味のある学習アドバイスとはなんぞや?

上述のことを踏まえて申し上げるなら、学習アドバイスに必要なものは以下のものでしょう。

  1. アドバイスをする時点での詳細な立ち位置の把握と個人の特質の把握
  2. 目標までの距離感を測るための模試の結果のデータ
  3. 定期的な進捗・推移の把握とそれに伴う学習の修正

こういったものが必要で、そのために毎日のように来てくれている生徒を見ていかないといかないわけです。遠方で通塾そのものが難しい場合でも、少なくとも、模試による推移と詳細な面談を通じてこれらの要素にもっている状態に近づけないと、真に本人の参考になるアドバイスにはならないわけです。だからこそ、オープンな場では当たり障りはない回答になりますし、毎日の把握と修正が行えるところではオーソドックスではない方法も用いて、複数の角度から本人の成長に資する学習のアプローチを試みていくことができるわけです。そういった教室ならではの手法は弊教室だけでなく、どの塾においても教室内での日々の積み重ねの中でしか作れないものである、ということを本稿を通じてご承知おき頂ければ幸いです。

目標設定=志望校設定は自分の思うところ、夢、人生の設計図、そういったものに忠実に作っていけばいいのですが、そこに橋をかけるというのは本当に難事業です。計画だけで橋をかけることはできません。自身の状態のチェックとそれに伴う修正や追加のアプローチがあってのものだとかんがえています。大学受験kawaiラボではそういった日々の学習に付随する部分を大切にしていきたいと考えて運営していますし、また、通塾ができない方でもできる限りの方策を立て、また、アドバイスをしていける場所として活動していきたいと考えております。現在の状況からの変化やこれからに向けての動き、また、学習の絵図を描いていくアドバイザーとして、こちらからご相談を積極的に頂戴できれば幸いです。

 

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