理系の理科(化学・物理・生物)を大学受験の勝負手にする!ー原理原則知識の掌握と問題解決力の養成
こんにちは,大学受験kawaiラボの河井です。先日,「固体の溶解度(再結晶)の問題について」に引き続き(っていうには間が空いているけど笑),この時期の高2理系化学で期末テスト範囲に入りやすい「気体の溶解度ーヘンリーの法則をめぐって」について書きました。少しでもテスト対策や受験対策のお役に立っていれば幸いです。元気があれば,溶液の性質についてもまた書いてみようと思います。
さて,今日の話題は理系の理科(化学・物理・生物)をめぐる問題についてです。もちろん理系の数学IIICにも通じる問題ではあるのですが,理科の方が全般的に授業コマ数が必要になりやすいこと,高2までの進行度が数学に比べて残りが多くなりがちなこと,そして英数を強調し過ぎと言うか,圧迫させ過ぎと言うか,とかく理科の進行度も習熟度も足りないと言うことが非常に多いわけです。その辺の問題点から理系の大学入試における理科の重要性,それに対する方策についてお話ししていきたいと思います。
高校生におこる理科の遅れや不足の原因
これには上述にもあるように,いくつかの原因がありますので,状況ごとに整理していきましょう。
授業の進行/教科書の終了が遅すぎる
1番多く聞かれる相談がこれですね。共通テスト1ヶ月程度手前になって初めて教科書の内容が終わる,という進行度で共通テスト対策もままならないだとか,私立薬学部の公募推薦に範囲が間に合わないだとか,そういった相談が多く持ち込まれます。教科書終了後は共通テスト対策のみで,2次・私大対策は共通テスト後に講座性授業などでやっと取り組む,もしくは授業と並行して重要問題集などの入試問題集を課題に出すのみ,という自体が多く起こります。
授業の一部を自習任せにしてしまう
特に化学で多いのですが,教科書の1章分(大きなまとまり全部)を各自で教科書を読んで取り組むこと,ということにしてされて,実際やってみるとうまくいかないという困りごとがよく持ち込まれます。化学だと無機化学の部分がこれに該当します。無機化学の問題は確かに知識に基づくものが多く,最終的には暗記がモノをいうとも言えますが,その根底には酸塩基反応,酸化還元反応,沈殿生成反応といったメカニズムや電子配置による理解を求めたい内容が多く含まれています。その理解が伴った上での暗記事項という立ち位置であるはずが,太字や重要な反応式を棒暗記すればよい,とされてしまうのは大事なところで点数にできない,という意味でもよくないと考えています。
英数の重要度を強調し過ぎてしまう
これは文系の社会科にも共通することなのですが,「理科(社会)は短期で仕上がるから今はやるな,英数だけやれ」という「指示」が出て理科(社会)が置き去りにさせられるという現象は多く起こります。旧旧課程ぐらいまでのセンターまでだとそういった部分は少なからずあったかもしれません(その代わり,センター後の2次・私大へのリハビリは大変でした…)。旧課程のセンターの頃から理科の範囲が全範囲化し,手間暇が多くなっていると感じていた中,共通テストではさらに読解力を伴わないといけない状況となりました。そのための準備期間はしっかり取るべきですし,うまくいかないときのマージンも必要であると考えますが,英数だけやれの余波は想像以上に大きいものとなっています。(なお,社会科,歴史科目に至ってもかつてのセンター試験ほど容易ではなくなってきていますので,やはり早期から手間をかけられるようにするべきだと思います。)
結果として起こること
結果,入試の手の動かし方について習熟する時間が不足するという状況が起こってきます。また,ある程度の入試の手の動かし方と文章による情報の把握と整理力が伴ってようやく共通テスト対策になるのですが,その時間も当然のように不足してしまうということが起こっています。共通テストで傾斜がなければ理科2科目と英語や数学2科目,国語と同じ200点分の配点があるわけですから,その点だけでも十分に重いモノだと思います。また,2次試験においても学科によっては英語より理科の方が配点が大きいだとか,そういった事情があります。例えば奈良女子大の理学部の化学生物環境学科だと2次試験が英語150点,数学150点,理科2科目で300点と理科が極めて大きなウェイトを占めており,理科の出来が生命線になる配点です。以前,共通テストが80点程度マイナスでしたが,理科と数学でしっかり点数を取って合格できた事例もあります。これは理科の重要度を物語ると同時に,いかに周囲の受験生が理科に手が回っていないか,そこを頑張ることに合格への鍵が埋まっていると考えることができるわけです。
理系の大学受験において,理科のウェイトはそれなりに大きいモノでありながら,多くの人が手が回りきっていないという現実があります。その一方で,数学という科目は1つの問いの配点が大きく,事故も起こりやすい。また,数学での行き詰まりの起こりやすさは英語や理科の比ではないほど起こりやすいです(越えられないモノではないとは思いますが,有限の時間の中では残念ながら苦しいことも実際あります)。それに対し,英語と数学は知識とノウハウの積み重ねで点数が伸びていくという面があります。大学受験kawaiラボでは数学に力を注ぎつつも,英語と理科で基礎点を作って手堅いスコア形成を目指していくことを推進しています。
理科について高校生ができる対処法
高校生はこのような事態に陥いることが想定されているときにできることはというと,
① 教科書や参考書で自分で取り組む
② 未修範囲をフォローしてくれる塾・予備校(できれば大学受験kawaiラボ!)で対策を組む
の2つです。結局,未修範囲のケアを夏休みもしっかり使ってやっておき,早々に入試演習に進んでいく,という手段以外ないわけです。学校既習でないと対応が難しいと言われることもあるので,塾・予備校にお願いする場合は事前にしっかり相談してください。
大学受験kawaiラボが高校生の理科に対してできること
大学受験kawaiラボでは未修の範囲を進める場合には個別に講義的なことをして,それから学校ワークレベル,入試演習レベルと演習を進めてもらうようにしています。ホワイトボードを使ってしっかり説明して取り組んでもらうので,無理なく問題演習へと入っていけるようにしています。これは数学などでも同じ対応をしています。
また,浪人生などでも問題演習がおぼつかない,だとか,基礎知識があやふやで,ということであれば,個別に対応していますので,ぜひご相談ください。
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