高2の秋は試練の秋ーここからギアを上げて受験に向かおう(できれば大学受験kawaiラボで)
こんにちは,大学受験kawaiラボの河井です。羽衣校と鶴見校,人生で初めての2校舎,それにオンライン。慣れないことでてんやわんやです。皆さまにはご心配並びにご迷惑をお掛けしているかもしれませんが,どうぞご理解とご協力の程,よろしくお願い申し上げます。
さて,一時よりは涼しくなりましたが,それでもまだ30 ºC近くあり,また週末あたりに残暑がぶり返すと聞いてうんざりしている今日この頃です。秋らしい秋,って今年は来るんですかねぇ…?ゴゴスマというワイドショーのお天気コーナーでは「猛残暑」なんて言葉も作られるぐらいですから,皆さまも体調にはくれぐれもお気を付けになってお過ごしくださいませ。
さて,今回取り上げるのは高2の秋についてです。秋らしくなくてもあくまでも秋なので,秋でいかせてください…。いや,そろそろ涼しくなって,お願い…。
高2の秋に訪れる危機
高2の秋にはどの科目も難易度が大きく上がってきます。高1の頃と比べて「サボっていないけど未消化のタスクが溜まる」という,これを僕は「高2ショック」と呼んでいるのですけど,これが起こってきます。最初にこれが露見するのはやはり数学でしょうか,1問あたりの処理量が大きくなり,ページ数が同じでもかかる時間が段違いになるために,サボっているつもりもないのに,なんなら勉強時間を増やしているのにタスク未消化が生まれてきます。これは早いと高2の1学期後半ごろ,図形と方程式や数列,三角関数を扱い始めたところに出てきます。これは高1でも2次関数が入り組み始めたところで感じられることもありますが,その場合,2年連続で同じような思いをすることになります。
理系の理科2科目に現れるしんどさ
理系の場合は数学に加えて,基礎から専門となった理科(多くの場合,化学+物理or生物の2科目)のしんどさが加算されていきます。高1では基礎3科目を2コマずつが多いのですが,それとは異質のしんどさです。基礎3科目は少量多品目のしんどさですが,専門2科目の大変さは基礎の内容を土台にさらに踏み込んでいく深さ,週3〜4コマあるための進行の速さと量,そしてこれは数学でもですが深化したことによるタスクにかかる時間的コストにその苦労が現れます。
この理科を巡る苦労を軽減するためには,数学では週単位でのワークの消化を高1から推奨しましたが,理科についても少なくとも週替わりの交互で内容のチェックやワークを進める,といった対応をとっておくべきです。本当はこちらも週単位で,と言いたいところですが,区切りの問題などもあるので,ひとまず交互,とさせてもらいました。少なくとも,単元がひとつ進む,大テーマがひとつ進む,といったタイミングでワークを消化していかないと,テスト前1週間や10日では途方もない量が残ってしまいますし,また,内容の進行についていけない,ということが起こってきますので,早々にやり方を変えていく必要があるでしょう。
文系の歴史を巡る通史と深掘りの兼ね合い
文系の人たちには,コース分けがされると数学の進度には若干の配慮があるため,少し負担感が緩和されるかもしれません。その一方で,社会科を2つ,探究レベルもしくは公民2つの組み合わせまでやっていかないといけません。これは旧課程では4単位社会+2単位社会でもよかった層の人たちにとっては劇的な変化です(地理総合,歴史総合,公共から2つもありますが,分量的には変わらないでしょう)。多くの人が日本史か世界史の一方と,公民か地理(公共政経が1番多いか)のどちらかの組み合わせに取り組む形でコースが進むことになります。
国公立を軸とする場合,社会科については多くの人が共通テストに使う,ということが主軸になるでしょう。社会の記述がある人は並行して深掘りについてやっていくことになります。一方で,私立で社会科を使う人は学校によって難易度,いわゆるマニア度が大きく変わってきます。上位レベルでは資料集の注まで,と言われるほどの博覧強記を目指していくことになります。そうすると,通史に目処をつけた後にその深掘りや大学ごとの過去問研究にかける時間が相当量必要になります。特に歴史は学校ごとに傾向や癖が違うので,別々に対策をやっていく必要がありますので,その辺が理系の1番難しいセットが大は小を兼ねる形で勉強できるのとは大きく異なる点ですね。
社会科にかかる時間的コストを考えると,高2では英語と国語,特に古典の進捗が気になるところです。理系でももちろん同じように英語のことは言えるのですが,数学・理科の点差の広がりのため,その2軸をしっかり押さえることの優位性があります。一方で,文系の場合,社会科も英国も脱落する,という形での点差ははっきりと出ますが,勝ち切るという点差を出すのはなかなか難しいところがあります。したがって,どの科目も勝てる科目というより,負けない科目に育てないといけない,得意科目に頼ることが(数学以外では)できない,というのが文系の苦心です。そこを唯一,労力によってカバーすることになります。
高2ショックを超えて受験生になっていこう
この高2ショックを乗り越えるにはどうしても生活習慣だとか,勉強に取り組む姿勢やタイムテーブル,力の割り振りにメスを入れていかざるを得ません。量的な問題もつきまとうので,時間の整理整頓,タスクの割り振り方。必要であれば専門的な観点から指導・助言を受けること,また,家で勉強できるタイプかどうかによってその学習環境の確保も必要です。この段の前半の内容は多くの人に共通しますが,後半に挙げた部分は人によって随分と個人差がありますので,家でもよく話し合ってみることが必要だと思いますし,また,通う通わないとは別に,一度専門家と相談してみることも一つの方策かと思います。大学受験kawaiラボでも今後のやるべきこと,パワーバランスなどなど,個々人の現状と目標と個性に応じて考えていきますので,是非ご相談くださいませ。