こんにちは、羽衣・浜寺・高石・泉大津からアクセス良好(チラシより駅近って言われました苦笑)の大学受験kawaiラボの河井です。受験生はもちろん、高2ぐらいでぶつかるこの問題、「私立に絞る方がいいのか」についてお話ししていきたいと思います。

私立に絞る=科目を絞るという話の出どころ

この話には「基本的には」という枕詞をつけておいてもらいたいのですが、基本的には国公立受験であれば5教科(現高1からは6教科)の共通テストと2次試験で1〜4教科が課されるというものです。基本的には、という枕詞をつけておいてもらいたいのは、学校によっては要求科目数が少ないだとか、そういった例外があるのでどうしても「基本的には」というしかありません。

ちょっと基本的には、の話で横道にそれましたが、国公立受験を考えると科目数が多いため負担が大きい、私立だと科目数が少ないので、私立に絞ると負担が下がる、と考えて私立にすれば?という提案や考えが起こるようです。本稿では「私立にすれば負担が下がる」の話について考察していきます。

科目が絞られるとどうなるか

では科目を絞る、とはどうなるか、ですが

文系:英語・国語+社会科(日本史/世界史/政治経済/地理)or数学IAIIB
理系:英語・数学IAIIBIII・理科1科目(化学・物理・生物/一部では理科2科目)

ということになります。先ほどの5教科ベースから見れば明らかに少ない。大学や学科によってはもっと少ない。となると負担が少なく見えるというのは当然のことでしょう。

科目を絞ることで起こること

科目を絞ると受験勉強としては種類が減るわけですから、選択と集中が起こるわけです。選択と集中をすれば当然のことですがその科目のクオリティーは上がるでしょう。従って同じくらいの力量の人が競うと考えると、その勝ち抜くラインは上がっていくわけです。その結果どうなるか?受験科目3科目でひとつでもマイナスができると埋めることが難しくなる、したがって選択と集中の分、数字上は高く出せないといけないということが起こります。したがって、私立の偏差値は思っている以上に高く設定されるわけです。

一方で国公立の共通テストで考えると、合計点が問題となるわけですから、科目数が多い分不得意を得意でカバーする余地が多いわけです。僕はよく「不得意のリスクを分散する」というような言い方をしますが、科目数が多く負担になる分には実はメリットもあるわけです。その上で2次試験に向かうと、配点の妙で比較的得意科目を推すだとか、ウェイトの違いだとか、そういったいろいろな戦術的要素を持ち込むことができます。この辺は大学受験kawaiラボでは私を筆頭とした専任で考えます(あまりにテクニカルなことを考えると、勉強のテンション下がってしまうので)。

科目を絞るメリットのある人

一言で言ってしまえば「苦手科目を切り捨てられることになる人」と「時間とパワーの配分が苦手な人」です。前者は当然と言えば当然かもしれません。圧倒的に数学が苦手で歴史マニア、だとかそういった場合には選択と集中が効果的に効くことが起こります。また、後者は科目数が多いと少なくとも表面的には数多くの科目をやることになるので、時間配分を細かくやるとパンクしてしまうときがあります。1つ1つの濃度を上げるとバランスを欠いてしまう、ということですね。そういう人にも1つ1つの深さを上げることは頑張れるという特性を優先させることができると、うまく受験を運ぶ可能性が上がることが考えられます。

科目を絞るとデメリットになる人

前段の逆と言ってしまえば終わってしまうのですが、「得意科目を外すことになってしまう人」と「得意科目と言えるものがない人」になります。前者は比較的わかりやすい。国語や社会が得意な理系がそれらを失う、数学理科が嫌いじゃない文系が社会に絞る、そういった場合には自分の持ち味を捨てることになってしまうため、思っている以上に受験に苦戦してしまう可能性があがってしまいます。なんせ、不得意科目を入れてなので、人と競うという一面から考えると本人にとっての難易度は上がってしまいます…。

意外に思われるかもしれないのが「得意科目がない人」が科目を絞らない方がいい、ということでしょうか。得意科目を受験科目の中に作れるようにしていきたいものですし、我々もそのように努めているわけですが、得意を後付けするのに絶対とは言いづらいです。ですが、先ほども言ったように科目数を揃えることそのものの負担感からそれが忌避されがちですので、揃えられることそのものが武器になり得るわけです。成績表が均一なタイプの人はむしろ積極的に国公立を考えてみてもいいかと思います。

私立に行きたいのに得意を捨てるしかないのか…となる人に

そういった人は共通テスト利用や併用の道も考えてみましょう。もちろん、自分の希望なので公募推薦や一般で受験することを諦めずに勉強はしてもらいたいのですが、いい方法がある場合もあります(一般で頑張るしかない学校もありますが)。この辺の事情をよく知る人・適切にアドバイスしてくれる人に相談しましょう。

最後に:希望と共に個人の特性を見よう

「こんなことがしたい!」とか「こういう資格が欲しい!」といったひとりひとりが抱く希望は千差万別です。当然、勉強に対する特性的なものも千差万別です。特に「ひとりひとりの記憶のクセ」を最近意識的に考えた対応をしているのですが、科目バイアスなども含めて本当にひとりひとりを見て、考えて、対処を決めていくことが重要かと思います。自分だけで決めていくのはなかなか大変なことです。相談だけでも持ち込んでいただければ幸いです。

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