今日も松江塾の真島先生に寄せられた質問に、kawaiラボ流でお答えしたいと思います。

中学数学と高校数学の分量,確かに違います。だから中高一貫校が中3や中2途中から高校数学に突入してますし,時間はしっかりかけられればそれに越したことはない,というのには異論は出ないでしょう。

テキスト(問題集)を消化するだけなら確かに1年でそれなりに進むと思います。ただ,あっさりとし過ぎて,本当に積み重なっていますか?中3がやる入試問題まで対応できていますか?テキストの消化だけでなく,その知識を活用する思考力まで育っているでしょうか?

この辺りの診断をどこかでつけてあげる必要があると思います。学年をスキップしてでも模擬試験を受けてみるとか,高校入試の過去問で測ってみるとか,そういうことは必要だと思いますよ。もしくは近くで理解のある個人塾の先生にナビゲートしてもらうのも良いと思います。

ここで,河井個人の話をしますと,中学2年ぐらいまでで中学内容を独学してしまいました。(荒れた中学校だったので,そういう手段をとりました。)高校に入って,2年間で高校数学も独学しました。かなり,どっしりとした参考書と問題集ばかり使っていた記憶があります。

その時の記憶から,使いやすいテキストにこだわるより,どっしりとしたテキストとわかりやすい問題集,それからレベルアップさせた問題集と順にやるのが地力がつくと思います。数学は論理があって初めて計算などの操作に進みます。受け入れやすいテキストであるだけでなく,論理をしっかり学べるテキストを選択するのが大切です。

僕の記憶に沿っていうなら,独学に向けてだと,中高一貫ハイステージなど,どっしりとしたテキストで理論面の学習を進め,問題集でその知識を使う力をつける,というのが良いと思います。そうでなければ,高校内容を独学するレベルには至りません。

最近だとしっかりしたテキストとしては,プラスエリートのシリーズや長岡の教科書のシリーズがあります。チャート式はあくまでも解法の辞典としての位置付けにおきましょう。それとともに,反復基礎の問題集としてシグマベストの問題集くらいから始め,ステップアップを図れば良いと思います。

このやり方だと,スタディサプリなどを利用したりするよりも時間がかかるかもしれません。ですが,時間をかけてでも自分の中にどっしりとした数学の土台を作ることが大事だと思います。今の快調なペースがあるなら,決して急ぐ理由はありません。河井は高2の終わりまでかけて数IIIまで到達しましたが,これでも大阪のトップ校で校内偏差値97まで,京大模試で偏差値70ぐらいまでいきますので,単なる進度よりも定着度や理解度,思考力を大切にしながら進めるようにしていくといいでしょう。

最後に,急ぐ気持ちもわかりますが,親の焦りはわからなくもないのですが,あくまでもお子さまの人生です。西大和学園の先生の有名なコメントがあります。

「お母さんやお父さんの今までの人生におけるリベンジを,子どもの人生でしようとしないでください。ご自身のリベンジはご自身の人生で行なってください。子どもの受験は,子どもの人生です。子ども自身に闘わせてあげてください。」

お子さまへの強い想いは時としてこのコメントを踏み越えてしまいます。逸る気持ちを少し抑え気味にして,最善を尽くしていただければと思います。