今日は、大学受験kawaiラボの河井です。中間テストが終わって(二期制のところはまだかもですが)一部の模試は返却されて、その順位やら模試だと偏差値やら合格判定だとか、そういった話が色々出てくると思います。中間テストはその学校全体として受けるものですから、その順位で買った負けたと言っているのは切磋琢磨という意味では微笑ましい反面、それだけで大学進学のあれこれを語るには不十分ではあります。

先日、「入試システムの選択」でも触れましたが、定期試験というものは一定期間の学習内容の定着を測るものであり、(実力問題を混ぜたりすぐ先生もいますが)基本的には比較的狭い範囲指定をしたテストであるということです。科目によっては教科書+αの丸暗記を力づくでやって高得点を取っている場合(数学でも)もあります。また、文理選択後は同一科目でも難易度が著しく異なることもありますし、選択科目でそもそも試験の数が違うとかそういったことも起こり得ます。それでつくった順位だと、正直なところ「総論として、悪くはないね」ぐらいのことしか言えない、というのが率直な感想です。入試科目だけが全て、ではありませんが、入試どうこうの目安としては不十分であろうかと思います。

ここまでのテスト順位に対する反論はあくまでも大学受験の尺度に定期テストの校内順位を見ることが良策でないことをお伝えするために、その不備にあたるところを突いたのでありますが、こう言うと「いや、いい大学に行く子は全科目ちゃんとしている!」という反論が来ることでしょう。もちろんそういう人もいますが、一方でかなりドライに取捨選択している人もいます(是非はともかく、実は僕もその口で理数以外は最下位近いとかよくあった…。)。戦略上の選択として行なっている人もいれば、自分の興味関心の赴くままにバランス取りをサボりにサボるパターンもあるのですよね。僕はそういうのは微笑ましいと思うタイプなのですが、一部の真面目な大人からは嫌がられるようですし、全否定されることも少なくないようです。

おっと、話が逸れてしまった…。テストで本当にするべきことは新出事項の一定範囲の学習の達成度です。勉強をいかに規定していくかについての前稿でも触れましたが、テストでの間違った部分の検証と次の期間の学習における計画や復習の機会の確保に繋げることが1番大事です。これは模試でもさほど変わりません。ただし、受験に向けた模試では満点に対して間違った分を埋めるという復習というよりは、目標点数(特にマークは)に向けて足りない点数分埋める、と少し色が違ってきます。その微妙な匙加減は人によって違ってきますので、どう策定すればいいかは直接相談してもらいたいところです。

さて、模試についても一言。ある意味矛盾することを言いますが、高2までの模試で学年全体で受けるものについては中期的な目標として、順位を追いかけるのは実はそれほど悪いものでもないです。というのは、これまでの学習全体が反映しないといけない(進度が速い中高一貫校の場合ちょっとどころでないズレがありますが)ので、そのわかりやすい目標設定、モチベーションの部分で寄与するところが大きいからです。定期テストでもそうなのですが、入試の主要科目を中心にする統一のテストの中では狭い範囲では自分の順位、広くは偏差値というのは自分の学力を高めた指標として役立つところであるのは少なからず真実であります。

その一方で○○大に通るには、みたいな話をするのに単純に学校でどれくらい、というよりは世間に通用しているかどうか、から話を始めていくことになります。しかも、その○○大に通るために必要な条件(傾斜だとか、問題の構成だとか)は学校によって違うので、進研模試が高くてもダメじゃないね、ぐらいしか言えないものもありますし、云々、とこれもまた色々な学校事情がありますので、大学ごとの詳細は割愛させてください(必要な方は直接聞いてくださいね)。ただ、共通テストが始まってひとつ共通して言えるのは、マーク模試が私大入試と大きく乖離しかかっており、その偏差値が指標として使いづらくなっている、ということです(ここが今日1番大事なところ)。したがって共通テストに合わせられるからといって次第入試を突破できるとは言えない、学校ごとの構成のあれこれが反映しづらいというところが問題点ですので、当面、過去問の出来(+真っ正直な記述模試)から推察していくしかないでしょう。

短期的・中期的なところだけでなく、長期的な意味で成長し、目標を実現するために見るべきものを見て助言して促していけるような、そういう在り方を常に追求していきたいと思います。