大学受験kawaiラボ誕生秘話(?)
開業の話を書くのが「爆裂個人塾長会議」で出ていたので,我らがkawaiラボがどのようにして産まれたのかについて書いてみよう。
河井は2017年春までラボからちょっと離れた鳳のとある個別指導塾で別館的な立ち位置で大学受験をしていた。ポスドク時代は正直大学生バイト以下の年収で生きていたので,ちょっとやそっとのことで辞める気もなかった。河井の受験や学習に関する考えの一端がこのブログにも出ていると思うが,そんな角の立つタイプがそこそこの大手でうまく生きられるはずもないのだが,別に給料と自分の職責に不満はなかったから,蛇蝎の如く嫌われても知ったこっちゃないと感じていた。
ブログのトップにもあるような大学受験の実績が少しずつTwitterなどを通じてしられ,出会った方々に「この仕事の仕方は会社員ではないから独立しなさい」とよく言われたものであったが,正直独立とか面倒くさいし別に経営したいわけじゃなくって,ヒラでもいいから現場で指導したいしか頭になかったので,長いこと断り続けてきたのであった。
そんなこんなしながら,日々高校生の相手をしていたわけだが,ある日ふと,「そういや僕の給料がこれぐらいと言うことは,僕の下のスタッフの給料ってこんなもんになって,じゃあ結婚のひとつもできんか…。」と思ったわけである。これじゃあいかん,しかもこの環境で大学受験で働くことは会社の辞令ひとつで吹き飛ぶ,やりたいことをさせてそれでもって結婚したい時にできるようにしないといけない,と思ったわけである。
そこで,河井に独立を促した方々に連絡を入れ,まずフリーランスとして外に出るところから始めたい,と申し出てフリー講師としての河井が始まったわけである。
フリーの仕事の中であくせくしながら,秋になった。収入は増えたが出るものも大きい。余裕があるわけではない。軍資金のストックが大きくなることはなかった。
そんなときに関西を襲ったあの台風。河井の生家は壁が3分の1ほども落下し,雨が降るとバケツ10個体制で雨漏りを受けないといけないほどの損傷を受けた。もともと築55年ほどの家,あのダメージには耐えられようもなかった。室温5ºCの下で眠るような生活を余儀なくされた。母の名義だがこのまま住み続けるのは困難と判断し,売却と新居購入に動いた。
そこで閃いたのだ。その売却と購入の差額で塾を作ろう,と。そして,元の塾を辞めたときに誓った,自分の下で働く人が信念をもって働き,かつ経済的にちゃんと報われる塾をつくるという決心を今一度,動かせるようにと。
幸い,いい買い手が見つかり,引っ越し先も見つけられた。その間にどこで塾をやるかを考えた。それで思い立ったのが今kawaiラボがある高石市羽衣の地だ。元の塾からすると本来は通塾圏になりにくいところなのだが,その塾で働き始めた1年目(非常勤時代)にこの地の子が大阪大学の看護に行ってくれた。入塾当初は理数ともちょっと大変だったのだが,最後は二次試験の化学で押し切ってくれた。それから,この街の人たちがその紹介つながりで河井の授業を受講してくれたのだった。だから,この街は直接訪れてもいないのに,河井を講師として育ててくれた街なのである。新居から50kmほど離れるこの街で塾をやっていこうと思った。
それで物件を休日に歩いて探した。ネットだとわからない物件もあるので,散歩するぐらいのつもりで歩いた。目立たせてどうのこうの,という気もなく,来てくれる(実はこの時点で申し出はあったのである)子たちの利便性を考えて,駅近にだけこだわり,フラッと歩いて見つけたのが今のラボのテナントである。最終的に問い合わせたときに,手頃な値段で大コケもしなさそうだし,駅から2分もあれば着くし,これでよかろう!で決めてしまったわけである。
そこで,僕の下で働きたいという人に連絡を取り,卒業生で付き合いの続いているのに連絡を入れ,友人で力のある国語の先生を招いてスタートさせたのが大学受験kawaiラボなのである。2月25・26日の国公立前期試験が終わって初めてまともに準備に入り,実際には3月からしかしてないけど,3月22日に開校できたのは本当に色々な方のご尽力を頂いたからだ。
kawaiラボは経営のことをよくわかる先生方からは気ちがいのような経営をしている。まず,現在,人件費率90%を誇っている。これはひとつには河井が外でも働いて収入を得られるから自分の取り分を考える必要がないということにもよるのだが,成績と結果にコミットするためにできうる限りの人材をかき集めたからだ。よく,規模が伴えば人を採ろうという人が多いが,そんな日はいつ来るのか?規模が伴わなくても人を採り,その力を借りて結果を出す方が実際にその経費に見合う規模になるのではないか?そう考えているからだ。前職で思い知ったのは実績が出る大学受験には人が集まりうるということ。そしてそうするといい子たちが自然と寄ってくる循環に入っていくのをその目で見たからだ。だから,その一歩目を記すために何が何でもその結果に向かうことができるメンバーを集めたかった。
もう1つ大事にしているものがある。それは「入ってくることは原則として断らない」こと。どこまでできるかわからないが,入ってくることは全てご縁,その流れは運気の流れになるからだ。理系のくせに縁や運気なんて,と思われるかもしれないが,そう行ったものは確実にある。運気の流れを決して外してはいけない。今のkawaiラボは力も出していると思うがそれ以上に運気で成り立ち前進している。その流れは決して手放したくない。
経営方針は「感と嗅覚,流れと運気,流れを汲み運気を引き寄せる」だし,経営理念は「kawaiファミリーファースト」,つまり一門と仲間たちにとって最良の選択であり続けたい,それだけを決めてこれからも前進していく。