Archives: 2019年11月24日

お悩み相談回答11/24②–建築学科の強い大学の選択

爆裂個人塾長座談会閲覧所」に届いた次の質問について,大学受験の専門家からお答えさせて頂きます。

<ご質問内容(引用)>
高校1年生の親です。毎日閲覧所楽しみにしています。
大学受験の話題もよろしくお願いします。
夏休みのオープンキャンパス参加で東工大に行きたい!と頑張っています。建築科希望です。
建築以外は考えていないようなので、東工大も含め建築科ならこの大学がおすすめ!などありましたら教えていただきたいです。所在地や国公立私立は問いません。
地方在住で高校の進路指導は、国立を目指せ私立なんかダメ。の一辺倒で残念ながら細かな進路指導は期待できません。県内一の県立高校なのですが。
建築の教育が充実している、就職先へのパイプが太いなど分かるとありがたいです。
よろしくお願いします。

<河井の回答>

大学受験で実は一番ミスマッチが多い分野なんですよね。化学工学といってひどくミスマッチを起こすことは比較的少ないのですが,建築だけはそうはいかないのです。

建築には意匠設計,構造設計,設備環境設計,材料,建築史,都市計画,ランドスケープ,そういった細目があるのですが,ひとくくりに建築学科といってしまうと,どうしても各大学がどの分野に強みがあるかは見えてこないです。そこをはっきりさせていくことがどうしても必要です。漠然と建築学科,というだけでなく,どういう建築学科に,どういう建築の専門家になりたいかをしっかりと煮詰めること,に尽きます。

その分野については以下が参考になると思います。

http://aochan.jp/kenchikugakka/

そこが煮詰まってきたら,それがそのまま学校選択につながると思います。ちょっと抽象的で直接のお答えになっていませんが。

より詳細など,ご相談いただけるならメールを頂ければと思います。より具体的な情報を加えてお話しさせて頂きます。メールをくださる場合には

mail@kawai-lab.co.jp

に頂ければ幸いです。クリックでメーラーが起動するので,お気軽に!


お悩み相談回答11/24①–センターまでの理数の勉強

爆裂個人塾長座談会閲覧所」に届いた次の質問について,大学受験の専門家からお答えさせて頂きます。

<ご質問内容(引用)>
こんばんは
いつも役立つ情報を見せていただき、大変ありがとうございます。
今年4月に真島先生のブログに出会い、子育て、教育について多くを学ばせてもらい感謝しております。

九州の地方都市にすむ高校3年生女子の母で、受験、勉強方法についての相談です。
娘は看護大学受験予定です。
金銭的に、国公立希望ですが、無理なときは私立と考えています。
高校(偏差値58)入学後は部活に明け暮れ、成績は見るも無惨なものです。
今年7月末に部活引退後、受験勉強に取りかかり、悪いなりに上がっては来ていますが、、
直近の模試は900点換算で410点前後
目標点までは130点欲しいところです。
残り50日で伸びるのか、不安しかありません。
一番悪い点数が化学で、100点満点で20点です。あとは、数学が似たような成績で伸び悩んでいます。
化学の勉強方法は、『リードα化学』という問題集を8割りして、違う問題集をしようかと言っております。
数学は、今年8月から塾に行き、勧められた黄色チャートで学習中です。

センターまで残りの期間、化学、数学の勉強法を御教授頂ければ幸いです

<河井の回答>

九州ですといくつか候補が挙がりますが,センターと面接/小論文/総合問題の組み合わせになると推察します。

ということでしたら,あと2ヶ月弱でセンターをなるべく向上させる必要があります。私立の科目の組み合わせ次第ですが,おそらく数学IIBと化学はセンターが主眼になるでしょう。

となると,数学の黄チャートの基本問題やリードαのリードCができれば早々にセンター対策問題集に移る方がいいですね。センターの形式と流れになれてしまう方がいいと思います。難易度高めの記述対策の問題は飛ばしてもらって構いません。数学IAも私立の難易度によりますが,センター重視の方針に合わせて問題はないは少ないと思います。

ただし,黄チャートでは分厚すぎて終わらないリスクもあります。でしたら,「短期集中ゼミ」の数学IAIIB(青緑の表紙)をやる方がコンパクトかと思います。その上でセンター数学は基礎の確認も含めて,「ベストセレクションセンター試験2020数学重要問題集」で基礎の確認から流れをくむトレーニングをしていけば良いと思います。

また,化学は理論の計算が手につかず,点を落とす傾向があります。そこで,第3問以降の無機,有機,高分子の知識分野にフォーカスして点数を取れるようにするのがいいと思います。知識の定着が足りないなら,一度「必修整理ノート」に取り組んでから,の方が早いかもしれません。それとリードαの標準的な難易度(リードC)まで,そこまできたら「問題タイプ別大学入試センター試験対策問題集化学」に移ってもらえばいいと思います。

化学も数学も,困った時に答えてあげられる体制をしっかり作ってあげてください。より詳細など,メールやDMなど頂ければできる限りのサポートをさせて頂きますので,具体的な学校名など含めてご相談ください。

より詳細など,ご相談いただけるならメールを頂ければと思います。より具体的な情報を加えてお話しさせて頂きます。メールをくださる場合には

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理系小論文-大阪府立大生命環境科学域応用生命科学類2019年後期より

河井はベンチャーやポスドク時代に産学連携の提案書を書いたり,プレゼンをしたりしていた経歴もあり,理系の小論文や自己推薦書の指導をすることがあります。今日は1題,大阪府立大学の後期の問題を河井なりに書いてみたので,提示してみたいと思います。

 

<設問>
下記の文章(小松左京『骨』1977年より,著作権を考慮して省略)を読み,最初に設定された「意義」と,それとは全く異なる「意義」がうみ出された科学技術の例を挙げ,例に挙げた2つの「意義」についてあなたの考えを600字以上800字以内(句読点を含む)で論述しなさい。

 

<河井の解答案>
 アルフレッド・ノーベルはニトログリセリンを爆薬とするダイナマイトを開発した。ニトログリセリンは極めて鋭敏な爆発物であり,取り扱いが困難であったが,ノーベルの工夫により取り扱いが容易になったことが知られている。ノーベルはダイナマイトを土木工事の安全化を目的としてダイナマイトの開発を進めたと言われている。しかし,このダイナマイトは強力であるがゆえに軍事用に転用され,土木工事の安全化と全く異なる用途で用いられるようになった。
 最初の開発の意義は土木工事をはじめとする産業の活性化,それに伴う経済発展とビジネス的成功と考えられる。技術者にとって自らの技術で産業を発展させよう,というのは極めて素直な欲求であると考える。そのときに本来の意義以外の転用を重視するだろうか。私がノーベルであれば自らの発明が産業構造を変えている,その未来図に心を奪われ,その実現だけに夢中になっているだろう。
 一方で,開発者ではなく別の目的をもつ立場であれば,ダイナマイトのその威力をどう使うことによる利益を考えるだろう。当時の帝国主義の背景のもとで活動する立場からすれば,この破壊力は軍事的な魅力に溢れる。良くも悪くも科学技術の魅力は人を魅惑し,自身や国家の願望へと突き進ませてしまう。現代の我々の立場からすれば,その願望と暴走に歯止めをかけることが必要である。だからこそ,現代では研究に倫理審査が設けられ,その危険性について第三者の目で判断することがなされることが増えてきた。
 現代においても研究者が意図と目的をもって精力的に開発を行っている。それを人々の平和と安寧のためから逸れるような用いられ方をすることは,我々自身の社会の目でもって阻止せねばならない。そのために,我々自身が科学的な知識を蓄え,その知識と良心に沿って適切な判断を下していくことが必要である。

 

従来の過去問で多くみられる問題意識を提示し,その解決のために自分は○○を取り組む,という形ではアプローチしづらい問題になっています。特にこの出題では,元の発明が別目的になった例を知識としてもっておくことが必要になります。つまり,一般的な受験勉強で前期まで取り組み,後期までの間に小論文の体裁を整えるだけでは難しい,という問題に変わっています。これが次年度も続くかどうかは予言者でないので判断できませんが,その可能性を考えて,今後の理系小論文の立場では,科学史などにも手を出していくことが必要になってくるかもしれません。

今回は比較的誰もが知っているダイナマイトを事例に挙げました。ノーベルはダイナマイトの軍事転用の可能性に気づいていた,との説もありますが,それについてはよく言われる土木工事から軍事に転用され,心を痛めた,という風雪にしています。それはおそらく,高校生が化学の授業で聞かされたことのあるストーリーに沿う形の方が論がさっぱりすると考えたからです。

この論ではそのストーリー通り,2つの目的を「土木工事への利用とビジネス的成功」と「軍事転用」の2点にしました。一方には科学者が夢見るであろう絵図の気持ちを,後者には別の視点での利益中心主義とそれに対する牽制の必要性,そのための現代の我々のあり方に触れました。そうすることで,我々が科学リテラシーを身につけ,さらに科学技術を暴走させる動きを牽制する方向にまとめようとしたものです。

小論文,特に理系の小論文については,「自分自身がプレイヤーとしてどのように解決に寄与するのか」という視点が重要です。この題目は少し直接的な行動に結び付けにくいところがあるかな,とは思いますが,常にこの問題解決案と実施に向けた意識,ということを心に留めていないといけません。極論,自身がプレイヤーとなる決意表明でもいいくらいです。サイエンスの現場はプレイヤーを求めており,評論家を求めていないのですから。そしてその解決案は「正解である必要は必ずしもない」のです。自分なりのアプローチができる,その表明をしてもらいたい。

また,折に触れて理系小論文の解答案の検討もこのブログでやってみたいと思います。他の解答案もあれば是非。


河井、人生初の…!

人生初のチラシを出しました。

ラボの近くにはポスティングにて3000枚強、もう少し半径を広げて某新聞で3000枚強配布して頂きました。(予算少ないので1誌しか入れてなくてごめんなさい!)

自分の写真がデカデカと出るのはちょっと照れ臭いもんですね。裏面は僕の思うところをガンガン書いたのでちょっと文章多いですが、これが伝わって共感頂けるご家庭に来てもらえればな、と思っています。

なにぶん、初めてなのでこじんまりと撒いたのですが、まだお手元にないお知り合いの方に渡したい、という方は100部足らずですが手元にありますので、お知らせください。

よろしくお願いします。


センター試験は言語論理との戦い

明後日は河合塾のセンター試験プレテストなので,やっぱり気持ちがセンターに向かう今週です。弾みがつくように,もありますが,後2ヶ月弱で取り組むべき自分の課題が見えてくればいいですね。

さて,センター試験(もちろんその模試もですが)は言語論理との戦いです。言語論理との戦いであるがゆえに,kawaiラボは国語を通じた言語論理の向上を1つのテーマに据えています。

さてさてセンター試験,数学も流れで引っ張っていく形式が非常に多いです。時に記述よりも点数が取れない,と嘆く子まで出てきますね。センターは教科書レベルという触れ込みから考えると,意外と思われるかもしれませんが,昨今のセンター型の問題は随分と手が込んでいます。僕が解いても,20年前の1.5倍くらいかかるくらいは難しくなっています。

で,先の記述より点が取れない,という場合,科目として問題を解く力には問題がないわけです。この場合はセンター型の誘導に乗れていないことが多い。その乗り方はもちろん練習もありますが,言語論理を意識することで改善が見られます。

また,化学だと少し見慣れない設定がよくあります。その設定を解きほぐして処理に向かわないといけないのですが,その時に必要な力が言語論理です。パターンだけでクリアしようとすると点をどんどん落とします。また,センター(私立マークもですが)正誤問題が多く出題されます。そのときの整合性のチェックにも言語論理の意識が役に立ちます。漠然とまぁ合ってるでしょ,と選んでひどい目にあうことがしばしばです。

言葉に対する意識をもつ,ということは評論文のように直接的に点数に直結しているわけではありません。ですが,その意識が欠けていると,知識や手法の習得以上に点を落としていく,それがセンター試験だと思います。単純な処理力テストではありませんよ。それを意識して,プレテスト,直前の演習,本試験に臨んでもらえればいいかな,と思います。


賢くなる演習ノート

こんにちは、大学受験kawaiラボの河井です。では早速今日のお題。

学力がつく数学の勉強ってどうやるんですか?

これは高校数学の勉強の上ではかなり重要な命題であると思われます。数学ができるようになるためには,日頃からの演習によるトレーニングが欠かせないのですが,案外,正しくトレーニングしてるね,と言える人は多くありません。

河井が考える数学の勉強の秘訣は,日々の演習ノートの書き方にあると思っています。多くの子のノートが計算式と答えとそれの○×に終始しています。それでは数学の思考はおろか,記述の力も何も育たないのです。ではどんなノートになるべきか?問題を実際に解くノートの例を示します。

1問だけコピーして河井が解いたものです。ちょっと半分に綺麗に分けれていませんが,2段にして上からきちんと書いています。単純な計算ドリルのような問題は除いて,全ての問題をこのような記述式の書き方で解いて記述する。

ではなぜこの書き方が良いのか?

それは思考や論理の流れを見直してもきちんと追うことができる,もちろん,このように書けば他の人にも伝えられる,つまり,記述がいつものこと,になっていくわけである。その積み重ねが数学の論理の経験の積み重ねになり,思考力の土台ができるものと思っている。

僕自身,この取り組み方でサクシード(ワーク),赤チャート,スタンダード数学演習IAIIB,オリスタ数学演習III,過去問で十分に合格点を取ることができた。このノートでたくさんの子が時間はかかるけど数学の改善に至った方法。魔法のような方法ではないけど。大学受験kawaiラボで演習を課すときは,この取り組み方で1枚1枚,高1から答案をチェックする。だから成績が伸びるのだと思っている。

センターは別物でしょ?という人がいる。多少,簡略化は必要だが,やはりきちんと書きながらそれを省力化することでベストスコアにしていくことが必要だと思う。そうしないと,ただの作業化やテクニックに走ろうとして行き詰まり,伸び悩みの原因になってしまう。これも,僕がサンプルで解いたものを提示しておこう。

こんなに書いたら時間がない!という人は根本的にマークの取り組み方を間違えていると思う。きちんと流れを追いかけながら試行して初めてマークの高得点が得られる。そういうものだと思う。

本当に力のつくやり方,というものは労力を要するものである。学問に王道なしともいう。最後に化学の新演習にも書かれている次の言葉を記して締めておきたい。

「苦痛なしには勝利なし,荊を避けては王座なし」


環境の力を甘く見るな-進学校が進学校たる理由

昨日、「爆裂個人塾長座談会閲覧所」でも話してたのですが、進学先でどう人生が変わるかというお話しです。

最初にこのスクショを見てもらいたい。これは僕の母校の進学実績です。

定員は360人だったはず(320に減ったっけ…?)で、学年の1割以上が現役で京大、阪大筆頭に旧帝大に、4分の1以上が国公立大学に行くような、そういう学校です。同窓会誌によるとセンターの学年平均が75%ですからね、平均越えれば関西だと大阪市大あたりがきっちりボーダー、もう少しで神戸大だとかに届くわけです。

そういう学校なので、さぞかし素晴らしい授業が!と思われるかもしれませんが、そういうわけではないです。これは公立だからというわけでなく、私立、それも中高一貫の私立でもそう。カリキュラムはまぁ早いですし、ウィークリーテストや課題などの負荷はでかいです。普通の高3がやるようなことを高2で通り抜けたりしてますから。僕もそうだった。

でもね、そこじゃないんですよ。上から落とされてきたものじゃないんですよ。

それは「強烈な横への意識」。周りに対して遅れを取りたくない、落ちこぼれたくない、あいつに負けたくない、そういった意識が早期から起こりやすい。これが一番強烈に効いてくる。

いや、だって全国偏差値60越えして、校内偏差値が50いかない、なんて天狗になれやしない。前回70台でもすぐ隣にもっと上がいる。その環境でギヤを下げられるか?まぁ下げられないでしょうね。事実、校内で97とっても下げられなかった。(97は分布のマジックでしかないのですが、普段は70台でしかない)

僕はこの環境の力を「環境補正」と呼んでいる。会社員時代はほぼ任せっぱなしだったけど、高校受験も見ていた。そのときの力と3年後の力、明らかにひっくり返っていることがある。それは3年間をどう過ごしたかに依存するわけだけだが、追い越した側の特別な意識であることは滅多にない。本人たちは周りに合わせながらただただ普通に取り組み過ごしてきただけなのだ。本当にそれだけのことが多い。

もちろん、そこに自覚が乗っかっていけばより上にも行けるし、環境補正が小さいところでも上に行くことができる、それはもちろんそう。

じゃあ環境補正が小さいときにどうするのか?そこで塾の出番ではなかろうか?学校以外の場に環境補正の力を求めるのである。他の学校の、特に超進学校の子の意識に触れ、その意識に合わせていくのだ。そういうことができる塾に行くことをオススメする。

どの選択にせよ、子どもが伸びていきよりよい人生をつかむもの。やりたいことによっては偏差値などで測る序列の意味なんて簡単に崩れるわけですが、あくまでも大学受験、上位校受験を目指す、という立場からお送りしました。願わくばみんながみんな、よい進路選択とその実現を願って止みません。


教務力って一口には言うけど

言葉の定義からしてわからん!というのがチラシとかホームページ見てる人の意見じゃないかと思います。なので、kawaiラボは大学受験ではこれをやるのが教務力、と定義して、勝手に押しつけていきましょう(笑)

端的には「生徒ひとりひとりをトータルプロデュースするのに必要な力」を教務力と考えます。それには何が必要か、解体していけば教務力が定義できるでしょう。

まずそもそもの科目の力。

科目の入試問題が旧帝大でも解けるなんていうのは当たり前(もちろん、たまには苦労するけど)だし、その問題を解説できるのも当たり前。これができたら授業できてるという程度なら相手じゃない。入試問題に至る前に、学校でやるような基礎理論の構築から授業できるほどの理解か?そして、それを目の前の生徒に合わせて話し、その子のハードルを越えられるようにできるのか?これができたらやっと、「教えるだけはできる」という程度です。専門科目がこの程度じゃkawaiラボじゃ戦力外。

少なくともkawaiラボから多く受ける学校の大学入試問題については形式などを把握し、生徒の解答能力や思考タイプから合格最低点をクリアできると期待できるかどうかを判別できるか?これは偏差値ランキングと模試を見合わせるんじゃない。生身の感覚で捉えられるかどうかである。偏差値が見合っていても絶対無理、となることもあるし、偏差値ほど合わせられないこともないこともある。そこまでできて初めて1科目を見れるというのがkawaiラボで科目を担当するということである。

そして、河井筆頭にこれが複数科目でできるのが専任であるということだ。理系なら数学と理科2つと英語は、文系なら英語国語と社会1科目は基本条件ですね。専門性の高まりによってこの辺の基準は変わることはあるでしょうが、街の塾をやるということはこれくらいの力はないと難しい。単科の専門性のマンパワーで押し切ることができないから尚更。

科目ができるだけでは地域の塾としてはダメで、学部、学科で何が学べるか、どういう就職があり得るのか、大学のその後まで見据えて進路探しから伴走できるかどうか。必要ならば大学の専門の違いを検討できるか?その手間を惜しまずかけられるか。ひとりひとりの人生を考えられなきゃ、塾のために受験させることになってしまうからこれはある意味で授業どうこうより重い命題ですよ。

更に受験日程を作れること。そんなの自分でやらせろよ、という意見があるのは承知の上ですけど、受験生が入試の偏差値と科目の一覧をめくって時間を浪費するのを本当にいいと思ってるの?絶対的なものでもない目安にしかならない偏差値でこれならいけるとか考えるのが社会勉強?僕はこの文化を学校なり予備校が労力を生徒に押しつけてるだけと断じているから、軸となる上位希望を基に滑り止めを日程とともに提案するのはラボの義務と考えている。はっきり言って、そんな紙の上のことだけで時間を浪費させるくらいなら、壁を越える力をつけることに時間を使わせようよ。

もちろん、これらを支えるためにはコミュニケーション能力も必要だし、それを支える観察力、僕は視えるとか言ってるけど、が必要。ライトなところから深層心理まで視えるとか。「私、そんなこと思ってる素振りありましたか?」って言われるくらいの眼力はある方がいい。でもコミュニケーション能力って大きな声で言っちゃうと上述のことができないパリピ的なタイプが大きな顔をしちゃう世の中だから、持ってる力を活かすための付加能力と思っているくらいがちょうどいい(笑)

寝ている間の「爆裂個人塾長会議」で話してたことのログを見ながら思ったことを連ねてみましたが、これがkawaiラボが教務力と信ずるところです。


壁の向こう側の勉強

ちょっとこいつ,何言ってるかわからない。そう言われることを覚悟して書きますね。

旧帝大とか東工大,一橋大に向けた勉強,私立でいうなら早慶とか。そういったところを目指す勉強は壁の向こう側に至っていないと苦しいな,と感じます。その壁の向こう側の勉強ができれば,高校入試でも大阪のC問題とか,あと,神奈川の特色入試や東京の自校作成などの高得点突破にも通じるところがあると思います。

僕は理数系の人間なので,数学(他科目も変わらないけど,話しやすい気がするので)で話を進めよう。

数学の勉強はまずは定義を知り,これまでの知識と定義から導かれる定理や性質を学ぶ。そして,4stepなどのワークでその基本的な運用をつかむ,その発展形をチャートや受験用の問題集で取り組んでやり方をマスターしていく…。

非常にザクッとしてますが,数学の勉強といえばおおよそこのイメージを持つ人が多いと思いますし,この流れで勉強してる人が多いことでしょう。

でも,いずれ頭打ちがきます。頭打ちなんて来ないぞ,という人は実は知らず知らずのうちに壁を超えている場合です。

頭打ち,と言いましたが,センターでそれなりに高得点が取れますし,上位大学にスッと入れることの方が多いです。ただ,その先があるということです。

それは1つ1つの原理や法則をどういうことか,と深く考え,ただのツールと解き方にすることなく取り組むというもの。そして,1つ1つの問題を自分の手で解きほぐし,どのやり方を,ではなく,何ができるだろう,これをやってみようかなとチャレンジしていくトライアンドエラーの学び。

理科ではこれに加えて現象や実験を記述した文章を読み込み,その情報を整理・抽出し,何ができるか考える,言語論理と科学的思考の融合が必要になります。ただただ公式や法則の使い方,に走っていったのではどうしてもこの手の問題に太刀打ちできない。

使い方は使い方で必要,原理原則だけでいきなり使えない人の方が多い。そこに異論はないですし,使い方をしっかり見せて,それをモノにしないといけない,それは前提。でもそれだけではない,そういう勉強に踏み込んでいって,そして,視界が開けてようやっとたどり着く境地。

そんな勉強に取り組んでいけるようにしていきたいですね。


塾で人生が変わった卒業生の話

人生を変えるために塾を探す人は少ないけども,そこでの出会い,変化が人に変化をもたらすことはいっぱいある。明らかに変わった!という子もいれば,非常にナチュラルな変化なので,本人さえ自然だと思っていることもある(思い返せば…的な変化ですね)。今日はその中でも劇的すぎる変化を今尚続けている子の話を。

その彼は卓球がとても強く,なんかの大会で優勝したりするくらい,なんなら卓球だけで大学に行けるくらいだった。でもスポーツで大学に行くと,やはり故障とかした時に在学し続けにくいらしい。それで,自力での大学進学を目指した勉強に切り替えることになった。

彼は中堅どころの高校に行ってたのだけど,「どうやって入ったの?」と言いたくなるくらいの惨状だった。そりゃあ卓球漬けでクラブチームまでやってればそりゃそうか,とも思うけど。(後で聞いたらその高校に入ったことも周りは驚くくらいだったらしい。)高校入試偏差値50は大学受験偏差値40と同じ,とか言われたりするけど,英数とももう10ずつ少ない感じだった。

ただ,生物だけはすこぶる相性が良かったのか,非常に楽しそうにやっていた。生物ともう1科目とか,生物のみの受験とかあるのも知ってたので,「生物,死ぬ気でやって偏差値60にしろよ,そうしたら自己推薦文とか考えてやろう」と煽ってみたのだった。1科目で面接付きはちょっと厳しいかも,と思いつつ,これで引っ張れば生物数学の2科でなんとかなれば,という気持ちであった(なお,英語は中1〜2レベルからやり直さなければならず,絶望的なので事実上放棄)。

どうなることやら,と思っていたらあれよあれよと生物だけは成績が上がり,生物だけは国公立上位クラスと競っていけるくらいまで育った。覚えるためなら整理ノートを10回でもやり,ワークを解き続け,おかげで他の科目のせいで留年しかけるくらいやってた。もはや執念。その気合いに免じて,ヒアリングの末,99%清書以外僕が書いたと言って過言でない自己推薦文とともに出願した。

生物のテストはできたのであろう,なんとその大学の1次試験を突破したのだ。滑り止めの生物数学2科は箸にも棒にもかからなかったのに。そこでサイエンスとしての受け答えを教え,何があっても開き直って,力が足りないと言われたら「気合いで埋めます!」と答えろ,と言い含め,元気よく出陣させた。

面接でいろいろやり取りして,「この自己推薦文,自分で書いてないやろ?笑」と突っ込まれたらしい。そのとき彼は,「塾で河井先生という方に書いてもらいました!そちらの先生とは同期とのことです!」と開き直ったらしい。こりゃあ落ちるよな(苦笑)…。

ところが,合格!

生物の偏差値=英語の偏差値+数学の偏差値,のような彼で留年も危惧されたのですが,なんだかんだいって生物研究に精を出しています。中学生より英語ができなかった彼が,英語の論文を読みながら研究するようになるなんて…,おじさん泣いちゃうぞ,みたいな感じです。論文も一流誌に掲載されるかも,とのことですし,大学院進学も勧められるほどになっていると聞いています。

こんな風に人生を変えることもある大学受験への道,全力で取り組むのは悪くないと思いませんか?